FXにおけるpips(ピップス)とは?メリットや注意点を解説
FXについて勉強していると、初心者には聞き慣れない単語が数多く出てきますよね。「pips(ピップス)」もその中の一つです。FXを学ぶ中で避けては通れないpipsですが、慣れていないと少しわかりにくい、厄介な「単位」なのです。今回はFXにおけるpipsについて、メリットや注意点もあわせて解説します。
pips(ピップス)とは?
pips(ピップス)とは、FXで使われている独自の単位です。ここでは、FXにおけるpipsの定義と、その必要性について解説します。
◾️FXにおけるpips(ピップス)とは
pips(ピップス)とは、FX取引で使用されている独自の単位です。為替レートの変動幅を示す最小単位で、通貨ペアによって1pipsをいくらとするかが異なってきます。
具体的な例を挙げると、米ドル/円の取引では1pips=0.01円(1銭)となっており、米ドル/円のレートが0.01円動くと、「1pips変動した」と表現されます。しかし、ユーロ/米ドルの取引では、1pips=0.0001ドル(0.01セント)とされているようです。このように、通貨ペアごとに1pipsの中身は変化します。
基本的にFXでトレードできるものは、決済通貨(通貨ペアの右側を指します)が日本円であるか、米ドルであるかのどちらかです。決済通貨が日本円であれば1pips=0.01円(1銭)、決済通貨が米ドルであれば1pips=0.0001ドル(0.01セント)と覚えておきましょう。
FX会社によっては1pips=〇〇円(ドル)という定義が違う場合もあるため、運用を始める前に検討しているFX会社のpipsの取り扱いについても確認しておくとよいですね。
◾️なぜpipsという単位が必要なのか
FX初心者であれば、これまで馴染みのない「pips」という単位に戸惑うことも多いでしょう。pipsを使うことによって余計にややこしくなっているのでは?と感じるかもしれませんが、全通貨ペア共通の最小単位を決めておくことで、それぞれの取引ごとの変動を比較しやすくなります。
たとえば、「10円の変動と10ドルの変動」ではパッと比較ができませんが、「円は1pipsの変動、ドルは10pipsの変動」と単位がそろえば、それだけで一気に比較がしやすくなりますよね。さまざまな通貨ペアで取引を行うFXだからこそ、全通貨ペアで共通の最小単位が定められたのです。
損益の計算方法
実際のトレードでは、pipsは損益の計算に使用されます。計算式は「獲得pips×1pipsの基準値×取引数量=損益」となっています。1pipsの基準値とは、1pips=〇〇円(ドル)といった値を指すようです。
損益計算の具体的な例を挙げると、米ドル/円で1pips=0.01円、1万通貨取引にて100pipsを獲得したケースでは、「100pips×0.01円×1万通貨=1万円」という計算式より、1万円の利益を得たということがわかります。
pipsのメリット
FX取引においてpipsという単位を使うことにより、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここまでは、pipsのメリットを2点解説します。
◾️共通単位によって比較しやすくなる
先述した通り、pipsという共通単位を設定することによって異なる通貨ペアでのトレードも比較しやすくなります。この単位がなければ、複雑な計算を経てしか複数の通貨ペアの変動比較ができません。パッと見て瞬時にその差が理解できるようになることで、さまざまな分析もしやすくなります。
◾️投資効率の良し悪しが判断できる
pipsのメリットとして、投資効率がわかりやすくなるという点も挙げられます。
たとえば「FX取引で1万円の利益を得た」と仮定します。利益としては同じ1万円ですが、「1万通貨を持って100pipsを獲得した」場合と「10万通貨を持って10pipsを獲得した」場合とでは、前者の方が少ない資金・通貨量で1万円という利益を獲得している=投資効率がよい、ということがわかるでしょう。
つまり、投資効率の良し悪しを判断するには「いくらの利益を得たか」ではなく「何pipsを獲得できたか」に注目しなければならないのです。pipsという単位を使うことにより、投資効率の分析が簡単にできるようになります。
pipsの注意点
FX取引においてとても便利なpipsですが、注意点として「損切りのライン決めに使わない」ということを覚えておきましょう。
1pipsあたりの損益は、取引数量によって異なります。「損切りラインは10pips」というように設定してしまうと、たとえば1pips=0.01円と考えた場合、1万通貨取引では1,000円の損失ですが、10万通貨取引では1万円の損失となってしまいます。
そのトレードをするときどきにより、許容できる損失の範囲や相場の状況も変わってくるでしょう。思わぬ大きな損失に苦しまないためにも、損切のラインはpipsで定めず、許容できる損失額から判断するようにしてください。
今回は、FXにおけるpipsについて、その定義やメリット、注意点を解説しました。FXは資産運用の中でも複雑で難しく、慣れていないとややこしい用語も多いですよね。pipsという独自の単位につまずいてしまう人もいますが、内容をしっかりと理解できれば、投資の分析に役立てることができますよ。今回の記事を参考にして、今後のトレードにpipsに関する知識を活かしてみてくださいね!